catch-img

ものづくりプロセスの高度化 デジタルを活用したスマートマニファクチャリング

DX推進を図る製造業様向けに、CTCでは「スマートマニファクチャリング構築ガイドライン」に則ったデジタル化~最適化ソリューションを提供しています。本稿では「スマートマニファクチャリング構築ガイドライン」の要点のご説明と、ものづくり領域でのシミュレーションや最適化を用いた高度化の一例をご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.ものづくりプロセスの課題
  2. 2.スマートマニファクチャリング構築ガイドライン
  3. 3.高度化に向けたシミュレーション・最適化の役割
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズのIntelligentTwinサービス
  5. 5.まとめ


ものづくりプロセスの課題

近年、多くの企業で事業環境の変化に取り残されないためにDX化やスマート化が取り組まれています。ただ、いざDX化やスマート化に取り組んでみると課題は多岐に渡っており、どこから手をつけたら良いのか、目的や目標が曖昧で関係者間で合意が取れないといったような課題が多いのではないでしょうか。

そのような状態のまま取り組んでしまうと既存の事業部門や業務範囲のデジタル化や最適化といった部分最適になりがちで目標とするDX化やスマート化は達成できません。DX化やスマート化を達成するためには、ものづくりプロセス全体を対象とした全体最適に取り組む必要があります。 


スマートマニファクチャリング構築ガイドライン

ものづくりプロセスのスマート化を推進するためのガイドラインとして2024年6月「スマートマニファクチャリング構築ガイドライン」が公開されました。
 
ガイドライン全体企画推進:経済産業省(METI) 製造産業局、国立研究法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
ガイドライン執筆:株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)
 
「スマートマニファクチャリング構築ガイドライン」では開発設計、生産管理、製造、販売・サービスにおよぶ広い範囲のものづくりプロセスに対しデジタル技術を用いて最適化する手法が整理されています。また、各企業の実態に即した変革を進めていくための、主体的な思考を補助する7つのリファレンスが提供されています。また、ガイドラインでは個別部門の評価のみならず、マニュファクチャリングチェーンの全体最適を俯瞰した評価の在り方を考え、チェーン間の情報連鎖がシームレスに行われる「仕組み」の構築が重要であると解説されています。


出展:スマートマニファクチャリング構築ガイドライン


高度化に向けたシミュレーション・最適化の役割

スマートマニファクチャリング構築ガイドラインではスマート化事例において重点となった課題を「マニファクチャリング変革課題マップ」として定義し、各企業がどの変革課題をどのレベルまで実現することが自社のスマートマニュファクチュアリングであるか検討・共通認識するためのテンプレートが用意されています。ここで実現レベルは情報の標準化(Lv1)~現実との双方向連携(Lv5)まで定義されており、高度化となるレベルではシミュレーションによる可視化・最適化による意思決定支援や仮想空間上に工場を再現したデジタルツインの実現があります。下記にシミュレーションや最適化を用いた高度化の一例を示します。


・工程設計、生産準備:新規工場やライン設計の事前評価やボトルネック分析

・供給計画:生産や調達計画の製造順序、投入計画の最適化による納期短縮

・リソース調達:人員配置や設備数の最適化による人員計画やシフトスケジュール計画

・量産製造:デジタルツインによるリアルタイムシミュレーションと将来性評価

・物流:配送計画の検証、倉庫内の在庫や作業指示の最適化による省力化

・品質管理:トラブル発生時の状況再現、影響範囲や対応策の事前検証

 
他にもシミュレーションや最適化を用いたデジタル活用で様々な課題解決が可能です。ただし、シミュレーションや最適化はツールであり目標達成の手段となります。デジタル活用にはスマートマニュファクチュアリング構築ガイドラインで言及されているようにDX化やスマート化により何の課題をどこまで目指すのか、そのために必要な要素は何かを十分に検討し、部署や関係者間で共有・意思疎通した上で取り組む必要があります。 


伊藤忠テクノソリューションズのIntelligentTwinサービス

伊藤忠テクノソリューションズでは、「IntelligentTwinサービス」を展開しています。本サービスでは30年以上にわたるプロセスシミュレーションや数理最適化技術の知見や経験を活かして、課題が漠然としている、どのようなデータが必要なのか、アプローチ方法が分からないといった初期段階のコンサルティングからシミュレーションや最適化による意思決定支援、デジタルツイン環境の構築・運用までCTCが伴走支援いたします。


まとめ

事業環境の変化へ対応するためにはDX化やスマート化が必要となりますが、その推進には既存の事業領域や考え方の枠を超えて取り組む必要があります。そのためのガイドラインとしてスマートマニファクチャリング構築ガイドラインが公開され、今後はデジタル活用によるものづくりプロセスのさらなる高度化が期待できます。CTCではシミュレーションや最適化による高度化やデジタルツイン構築など様々なデジタル活用の実現をご支援いたします。


  スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインによるデジタル化 経済産業省が策定した『スマートマニュファクチュアリング構築ガイドライン』において、デジタルツインは製造業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な要素として位置づけられています。 本稿では、同ガイドラインを踏まえ、デジタルツインの概念とその製造現場における具体的な活用事例を紹介するとともに、多頻度データ収集やシミュレーションによる最適化など、ガイドラインで提唱される高度なデジタル化の実現に向けたCTCの取り組みを詳細に解説いたします。 Trans Simulation


  生産プロセスの最適化で生産性向上! 改善を図る3つの方法 製造業において重要な経営課題の一つに、生産性の向上が挙げられます。近年、市場ニーズの多様化や技術革新による製品の高度化、製品ライフサイクルの短縮化などによって、製造業を取り巻く環境が変化してきました。それに伴い、生産プロセスも複雑になりつつあります。 そうしたなか、以下のような課題が生まれやすくなってます。 「多品種少量生産での在庫管理や原価管理が難しい」 「仕様変更による組み換え作業でタイムロスが発生する」 「設備故障や不良品発生による機会損失を招いている」 このような課題を抱えている製造現場では、生産性の向上に向けて、生産プロセスの最適化に取り組もうと検討されている方もいるのではないでしょうか。 この記事では、製造現場での生産プロセスを最適化するメリットと改善方法について解説します。 Trans Simulation




“事例一覧は下記をクリック‼”


人気記事ランキング


キーワードで探す



 

関連記事

伊藤忠テクノソリューションズの科学・工学系情報サイト

 

ページトップへ戻る