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設計者CAEの導入効果とは?業務改善事例・課題と問題点のご紹介

近年、製品開発の現場において、フロントローディングを促進するツールとして設計者CAEの普及が進んでいます。

今回の記事では、製品開発において重要な役割を果たす設計者CAEのメリットについて説明します。設計者CAEの導入は、製品開発の効率と品質向上に寄与する一方で、課題や問題点も存在します。それらについても説明するので、ぜひブログを最後までお読みください。


目次[非表示]

  1. 1.設計者CAEとは?
  2. 2.設計者CAEの業務改善事例
  3. 3.設計者CAEの課題と問題点
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービス
  5. 5.まとめ


設計者CAEとは?

設計者CAEとは、設計者がコンピュータ支援工学(CAE)ソフトウェアを活用して、製品開発におけるシミュレーションや解析を行うプロセスやそのソフトウェア、ツールを指します。設計者CAEは、設計者が製品の挙動や性能を事前に評価するための重要なツールとして利用されます。

設計者CAEの最大の特徴は設計者が直接シミュレーションを利用することにあります。これまでは手計算や経験則に頼っていた部分に数値シミュレーションを導入することにより、高精度で製品の性能や品質を予測し、評価することが可能になります。

設計者CAEの業務適用の流れでは、設計者がまず製品の要件を明確化し、その後、CAD設計データをCAEソフトウェアに取り込んで解析モデルを作成します。このモデルを使用して、設計者は製品の性能、耐久性、安全性などを評価し、問題点を特定することができます。そして、問題を修正し、最適な設計を実現するためのフィードバックループを繰り返します。

従来の製品開発プロセスにおいては設計後、専任CAE部署においてのシミュレーションや実験における評価を行った後、再設計というループが繰り返されてきましたが、設計者CAEを導入することにより、フロントローディングを促進し、製品開発のスピードや品質を向上することができると言われています。

設計者CAEでは様々な機能やツールを持ったソフトウェアが開発されており、構造解析、熱解析、流体解析、振動解析など現場に合わせてソフトを使い分けることも可能です


設計者CAEの業務改善事例

設計者CAEの導入効果を紹介します。CAEを活用することで、設計者の業務においてさまざまな改善がもたらされます。

設計者CAE活用イメージ​

まずは設計作業の効率化から見ていきましょう。以前は手作業で行われていた計算作業を、CAEによって自動化することで劇的にスピードアップさせることができます。

これにより、設計者は貴重な時間を節約し、より多くのプロジェクトに取り組むことができます。また、正確な解析結果が得られるため、修正や再設計の必要性も大幅に減少します。

次に、早期の不具合発見・解決について考えてみましょう。設計者CAEを使用することで、製品の設計段階で潜在的な問題を発見し、修正することができます。

これにより、製品が市場に出る前に予防的な措置を講じることができ、コストやリスクを軽減することができます。また、製品の耐久性や安全性の向上にもつながります。

さらに、コスト削減についても設計者CAEは有効なツールです。設計の段階で細かな解析を行うことで、試作やテストの回数を減らすことができます。これにより、材料や設備のコストを削減することができます。

また、製品の品質向上によってリコールコストやクレーム対応費用も削減できます。さらに、企画段階からのサポートにより、無駄なコストの発生を事前に防ぐことができます。

設計者CAEの具体的な業務改善事例を見てきましたが、これらの効果は実際の現場で実感されています。設計の効率化、不具合解決の迅速化、コスト削減など、さまざまなメリットが設計者CAEの導入によってもたらされています。



設計者CAEの課題と問題点

設計者CAEは、製品の設計や開発において重要な役割を果たしますが、その適用にはいくつかの課題や問題が存在します。これらの課題を解決することが、CAEの効果的な活用につながります。

まず、データの信頼性は設計者CAEの課題の一つです。CAEを使用する際には、精密なデータ入力が必要ですが、データの信頼性には限界があります。入力データに誤りが含まれていた場合、CAEの結果も正確ではなくなります。ですから、設計者はデータの信頼性を確保するために慎重な入力作業を行わなければなりません。

さらに、設計者CAEの適用には技術的な知識やスキルが必要です。CAEツールは複雑で高度な機能を持っており、設計者はこれらを使いこなすだけの知識と経験を持っている必要があります。しかし、現実には技術的な知識やスキルが不足していることが多く、CAEを活用できない場合もあります。

最後に、コストとリソースの問題も設計者CAEの課題です。CAEツールの導入や活用には、高額なライセンス費用や十分な計算リソースが必要です。小規模な企業や予算の限られたプロジェクトでは、これらのコストやリソースを確保することが難しい場合があります。

これらの課題や問題を克服するためには、設計者は信頼性の高いデータ入力、技術的な知識とスキルの向上、コストやリソースの適切な管理などを行う必要があります。一方で、CAEツールの普及や技術の進化により、課題や問題も解決される可能性があります。

設計者CAEの課題と問題点を理解し、対策を行うことで、製品の設計や開発プロセスの効率性と品質を向上させることができます。​​​​​​​


伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービス

伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービスは、設計や製造プロセスを改善するための高度な解析技術を利用し、製品の品質向上や生産性の向上など、お客様のビジネスパフォーマンスを高めるためのサービスです。

伊藤忠テクノソリューションズのエキスパートたちは豊富な業界知識と経験を活かし、最適な解決策を提供し、お客様のビジネス成長を支援します。

CAE活用効率最適化、高度なシミュレーション技術、最適なソリューションの組合せなどの課題に対してお困りの方はお問い合わせください。


まとめ

この記事では、設計者CAEについて以下の内容を解説しました。
 
・設計者CAEの概要
・設計者CAEの事例
・設計者CAEの課題と問題点
 
設計者CAEはフロントローディングを促進し、製品開発の効率化と品質向上に大きく貢献するツールです。業務プロセスを改善する設計者CAEツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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