catch-img

最適なAGV(無人搬送車)台数を算出!倉庫内のAGV搬送シミュレーションとは

本記事では倉庫内のAGV搬送のシミュレーションについて解説します。

生産年齢人口減少が加速する中、物流センター・倉庫の人手不足は大きな課題となっております。そのような中での事業継続化のためには省人化や作業員の省力化が喫緊の課題であり、多くの物流センターではマテハン機器やロボットを導入が行われています。

特に物資の搬送を行うAGV(無人搬送機)やAMR(自律走行搬送ロボット)が多くの現場で積極的に活用され、作業員の作業負荷の軽減や梱包や検品な人の手による作業が必要となる業務へのリソースの集中に効果を発揮しています。

AGV・AMRの効率的な利用は省人化や業務効率化、労働環境の向上のために今後ますます求められるものになりますが、適切数の導入や効率的な運用には、事前の検証や運用中の運用最適化が必要になります。


目次[非表示]

  1. 1.倉庫AGV搬送シミュレーションの意義
  2. 2.倉庫AGV搬送シミュレーションの必要性
  3. 3.倉庫内AGV搬送シミュレーションモデルの具体例
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズのIntelligentTwinサービス
  5. 5.まとめ


倉庫AGV搬送シミュレーションの意義

課題に対するソリューションの観点からは、昨今、倉庫業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)として、倉庫内のデータ収集、運用最適化、管理の自動化をすることで業務の効率化や生産性向上が図られています。

AGV導入のような現場の運用を大きく変えようとする時にはデジタル技術を活用した事前の効果検証が欠かせません。シミュレーション技術を使うことで、デジタル空間内に仮想的な物流センター・倉庫を構築し、そこでAGVの台数や搬送能力、搬送ルール、倉庫のレイアウトや作業員との作業作業分担など多くのパラメータを変更しながら検証することができ、「定量的」・「客観的」な効果検証を行うことが可能です。

また、シミュレーションでは、リソースの取り合いや確率要素を含んだ検証ができるため机上計算ではできない詳細な検証が可能になります。


倉庫AGV搬送シミュレーションの必要性

AGV導入には省人化、作業員不可軽減といったメリットとともにデメリットも存在します。導入時にAGVそのものの導入コストやAGVの動作環境の整備の事前検証が必要になりますし、運用時には搬送ルールの効率化や現場の運用の変化へのスムーズな対応にコストが求められます。これらのメリット、デメリットを総合的に評価し導入規模や運用方法を決定することが必要になりますが、そのためにはコストの算出や稼働率・効率さといった評価指標の導出が必要になります。

仮想空間上の倉庫を構築しておきシミュレーションすることによって、これらの情報がすぐに導けるため、適切なリソース数や適切な運用の検討といった意思決定に役にたちます。


倉庫内AGV搬送シミュレーションモデルの具体例

それでは、具体的に倉庫内AGV搬送シミュレーションモデルについてご紹介します。CTCでは物流領域のプロセス改善のためのシミュレーションに携わってきましたが、これまでのモデル開発の知見を活かし、汎用的な倉庫内AGV搬送シミュレーションモデルの提供、およびソリューションを行ってきました。

例えば、下記のように倉庫内をメッシュに分割したシミュレーションモデルだと、そこに商品棚やピッキングエリアなどの施設を配置することで様々なレイアウトの倉庫に対応し、自由に動作することができるAGVをシミュレーションすることができます。

Witnessで作成した倉庫内AGV搬送シミュレーションモデル

このモデルでは、AGVは任意の走行ルールの表現が可能になり、走行速度を状況に応じて走行速度やふるまいを可変にすることが可能です。ピッキング時間や故障停止などの設定を電力エネルギー量やCO2排出量の算出機能も保持しており、現場ごと個別の要件についても本モデルへ追加実装することで多くのことが反映できます。

倉庫業務のシミュレーションを行うことがあったとしてもモデリングの複雑さからAGVのふるまいについては大幅な簡易化が行われることが多いですが、こういった汎用的なモジュールを利用することでモデリング工数が削減し意思決定に必要な情報を得ることが短時間で得ることができます。


伊藤忠テクノソリューションズのIntelligentTwinサービス

伊藤忠テクノソリューションズでは、『IntelligentTwinサービス』を展開しています。

製造業を中心に多くの企業がデータの蓄積・活用先としてデジタルツインに積極的に取組んでいますが、「使用するデータが不足している」「取得できないデータがある」「分析技術が足りない」などの課題が挙げられます。

IntelligentTwinサービスでは、これらの課題に対して、AI、シミュレーション、数理最適化を組み合わせて、最適な価値を提供します。

また、生産性向上や新規設備投資計画、人員配置最適化などの課題に対しては、適切な手法の選定から運用フェーズでのモデル精度維持まで、さまざまな形でご支援いたします。



まとめ

CTCでは、製造業・物流業のお客様とAGV台数の見積やレイアウトの検討、搬送ロジックなど多くのプロジェクトに携わってきました。上記のようなモデルはAGVのふるまいの他作業員の作業や人の動きのふるまいも模擬することができます。ご興味を持たれた方はぜひお気軽にお問合せください。


【関連記事】

  プロセスシミュレーションを用いたCO2排出量シミュレーション プロセスシミュレーションツールは製造プロセスや物流プロセスをコンピュータ上で再現し、最適化や効率化などの課題解決に役立てることができます。 本ブログでは、プロセスシミュレーターであるWITNESSを用いたCO2排出量シミュレーションについて解説します。具体的には、WITNESSを使ったプロセスモデルの構築方法やパラメータ設定方法、そしてシミュレーション結果の分析方法について詳しく説明します。 WITNESSを用いてCO2排出量を評価することで、カーボンニュートラルをはじめとした取り組みの効果をシミュレーションする方法についても触れていきます。 Trans Simulation


  工場レイアウト設計とは?生産性に与える影響とシミュレーション事例をご紹介 現代の製造業界では、最適な工場レイアウトの設計が生産性や業務効率の向上に不可欠です。 しかし、レイアウト変更は大規模になることが多くコストもかかるため、頻繁にトライ&エラーをすることができません。それに対し、シミュレーション技術を活用することで、レイアウトの計画段階での試行錯誤をノーリスクかつ効率的に行い、定量的な生産性の評価を行うことができます。 本記事では、工場全体のラインや設備のレイアウト設計にシミュレーションを活用する方法をご紹介します。 Trans Simulation



“事例一覧は下記をクリック‼”


人気記事ランキング


キーワードで探す



伊藤忠テクノソリューションズの科学・工学系情報サイト

 

ページトップへ戻る