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エンジニアリング業務を変えるVDI ~活用事例と導入メリット~

働き方の多様化が進み、場所や端末に縛られずに安全な業務環境を提供する仕組みが求められている中、従来の物理PCへの依存では、セキュリティや管理の面で課題が残ります。

そこで注目されているのがVDI(仮想デスクトップ基盤)です。VDIは、ユーザーがどこからでも仮想環境にアクセスできる仕組みで、情報漏洩リスクの低減や運用管理の効率化を実現します。

本記事ではVDIの仕組みとそのメリットについて詳しく説明します。

目次[非表示]

  1. 1.VDIとは?
    1. 1.1.VDIの基本概念
  2. 2.VDIの利点
    1. 2.1.セキュリティの向上
    2. 2.2.運用効率の向上
    3. 2.3.モビリティと柔軟性
    4. 2.4.スケーラビリティ
  3. 3.エンジニアリングにおける活用
    1. 3.1.CAD-VDI
    2. 3.2.CAE-VDI
  4. 4.エンジニアリングにおけるメリット
  5. 5.伊藤忠テクノソリューションズにおけるVDIの活動
  6. 6.伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービス
  7. 7.まとめ

VDIとは?

VDIは「Virtual Desktop Infrastructure」の略で、仮想デスクトップ基盤と呼ばれます。この技術は、ユーザーが物理的なデスクトップ環境から解放され、ネットワークを通じてどこからでもアクセス可能な仮想デスクトップを利用できるようにするものです。

VDIの基本概念

VDIは、サーバー上でデスクトップ環境を仮想化し、ユーザーがリモートでその環境にアクセスできるようにする技術です。ユーザーのデバイスは単なるアクセスポイントであり、実際のコンピューティングはデータセンターなどのサーバーで行われます。これにより、ユーザーはどこにいても一貫したデスクトップ体験を享受できます。

VDIの利点

VDIを導入することで、さまざまな利点がもたらされます。

セキュリティの向上

データはデータセンターに保存されるため、ユーザーのデバイスに保存されることがなく、盗難や紛失の際にデータ漏洩のリスクが低減します。また、セキュリティポリシーを中央で管理できるため、企業全体のセキュリティを一貫して維持できます。

運用効率の向上

ソフトウェアの更新やパッチ適用を中央で管理できるため、個々のデバイスに対する手間が省けます。これにより、IT部門の運用効率が向上し、コスト削減に繋がります。

モビリティと柔軟性

ユーザーはどこからでも自分のデスクトップにアクセスできるため、リモートワークやモバイルワークが容易になります。また、デバイスの種類に依存せず、同じ環境を利用できるため、柔軟性が向上します。

スケーラビリティ

VDIは必要に応じてリソースを追加したり削減したりすることができるため、企業の成長に合わせて柔軟に対応できます。これにより、企業はコストを最適化し、リソースの無駄を減少させることができます。

エンジニアリングにおける活用

エンジニアリングにおいてはコンピュータを利用して、製品の設計や開発を支援する技術が活発です。VDIの仕組みをCADやCAEに適用することで、様々なメリットを享受することが可能です。

CAD-VDI

CAD-VDIは、CADの環境を VDI上で提供する仕組みのことです。

CAD-VDIは、グラフィック仮想化技術を活用して、従来は高性能な物理ワークステーションでしか動かせなかった2D/3D CADソフトウェアを、仮想デスクトップ環境で利用可能にする技術です。

CAE-VDI

CAE-VDIは、CAEソフトウェア(構造解析、流体解析、熱解析など)を仮想デスクトップ基盤で提供する仕組みのことです。

高性能な計算資源やGPUを仮想環境で提供し、リモートからでも快適に解析作業が行えます。データはサーバーに集約されるためセキュリティが高く、設計業務の効率化や働き方の柔軟性向上にも貢献します。

エンジニアリングにおけるメリット

ワークステーションなどの高性能マシンを活用する場面が多いエンジニアリングにおいても多くのメリットがあります。VDI全体のメリットと重なる部分もありますが、簡単にエンジニアリングにおけるメリットを挙げます。

  • 高性能な仮想環境の利用

ローカルPCの性能に依存せず、サーバー側のGPUやCPUを活用できるため、大規模な3Dモデルやレンダリングも快適に操作可能。

  • セキュリティの強化

設計データはすべてデータセンターに保存され、端末には残らないため、情報漏洩リスクを大幅に低減。

  • 柔軟な働き方の実現

自宅や外出先からでも大規模モデルに対応可能なCADやCAE環境にアクセス可能。リモートワークや多拠点での設計業務に対応。会議や外出先でもノートPCから直接データにアクセス可能で、その場で設計変更なども対応可能。

  • 運用管理、メンテナンス性の向上

運用・管理の効率化マシン本体およびソフトウェアのアップデートやライセンス管理を一括で行えるため、各技術者個人に任されていたマシン管理の負担を軽減。

  • コストの最適化

高価なワークステーションを技術者ごとに保有する必要がなく、VDI環境を共有することで高機能な作業環境を低コストで提供することが可能。また、プロジェクトの規模や人員に応じて、仮想環境を柔軟に増減できる。

伊藤忠テクノソリューションズにおけるVDIの活動

CTCではVDIに関する各ベンダーと強力なパートナーシップを築き、製造業を中心に多くのお客様にVDI環境を提供しています。ここではCAD-VDIをお客様に導入した事例をご紹介します。

澁谷工業株式会社 様 GPU仮想化機能で機動力に富んだ3DCAD環境をエンジニアに提供

https://www.ctc-g.co.jp/report/case-study/shibuyakogyo/

日立建機株式会社 様 3DCADを担う物理クライアントの仮想化を推進

https://www.ctc-g.co.jp/report/case-study/hitachi_kenki/

トヨタ自動車株式会社 様 仮想GPUによるCAD VDIで設計開発プロセスを加速「設計開発業務の働き方改革を実現」

https://www.ctc-g.co.jp/report/case-study/toyota02/

伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービス

伊藤忠テクノソリューションズが提供するCAEアドバイザリサービスは、設計や製造プロセスを改善するための高度な解析技術を利用し、製品の品質向上や生産性の向上など、お客様のビジネスパフォーマンスを高めるためのサービスです。

伊藤忠テクノソリューションズのエキスパートたちは豊富な業界知識と経験を活かし、最適な解決策を提供し、お客様のビジネス成長を支援します。CAE活用効率最適化、高度なシミュレーション技術、最適なソリューションの組合せなどの課題に対してお困りの方はお問い合わせください。

まとめ

VDI(仮想デスクトップ基盤)は、サーバー上に仮想化されたデスクトップ環境を構築し、ユーザーがネットワーク経由でどこからでもアクセスできる技術です。

セキュリティ向上、運用効率の改善、柔軟な働き方の実現、スケーラビリティなど多くの利点があります。特にCADやCAEなど高性能な処理が求められるエンジニアリング分野では、VDIにより高性能な仮想環境を低コストで提供可能となり、設計などの業務効率化と働き方改革に貢献しています。

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