HPCとは? オンプレミスとクラウドの活用方法とともに解説

HPCとは? オンプレミスとクラウドの活用方法とともに解説

研究関連のニュースで“スーパーコンピュータ”という名称を耳にしたことはありませんか。

スーパーコンピュータはHPC(High Performance Computing:ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)の一種で、膨大なデータを基に複雑な計算を行えるシステムです。

スーパーコンピュータをはじめとするHPCに対して、「特定の研究分野で使うもの」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。HPCは、次世代のシステムとして、さまざまな分野で活用されています。

本記事では、HPCの用途や活用方法など、基礎的な知識について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.HPCとは
    1. 1.1.HPCが活用される分野の変化
    2. 1.2.HPC活用例
  2. 2.HPCの用途
    1. 2.1.①医療の現場
    2. 2.2.②製品の設計や製造の現場
    3. 2.3.③エネルギー採掘の現場
  3. 3.HPCの運用方法
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズのクラウドHPCサービス
  5. 5.まとめ


HPCとは

HPCとは、大量の情報を処理して、複雑な計算を高速で行えるシステムのことです。

デスクトップパソコンやノートパソコンをはじめとする一般的なコンピュータよりも速く計算できます。計算の速さはシステムによってさまざまですが、規模によっては数百万倍の速さで計算できるものもあります。


HPCが活用される分野の変化

当初は主に研究分野で活用されていましたが、現在はものづくりの分野や医療の分野など、活用の場が広がっています。

かつてのHPCは高価なうえ、計算に時間がかかることもあったため、研究以外の分野での実用化は現実的ではありませんでした。

しかし、コストパフォーマンスの優れた処理装置を搭載したコンピュータが徐々に台頭してきたことで、より幅広い分野でHPCが取り入れられるようになりました。


HPC活用例

近年、HPCは身近な分野・規模感で存在しています。

たとえば、自動車製造をはじめとする大規模かつ実験や検証が必要な現場では、コスト削減にHPCが用いられています。HPCを用いてシミュレーションを行うことで実験の回数を減らせるため、コスト削減を可能にしています。

また、HPCは普通のパソコンよりもタフな使用に耐えられます。HPCを活用することで、エネルギー効率を高めたり、製品開発にかかるワークフローを改善したりすることが期待できます。トータルで考えた結果、調達コストを上回るコストメリットが得られる可能性もあります。



HPCの用途

先述したように、HPCは活用の場を徐々に広げています。ここからは、HPCの用途例を3つ取り上げて紹介します。


①医療の現場

医療の現場では、薬物の設計や病気の診断などにHPCが活用されています。

たとえば、HPCに大量の症例データを学習させたうえで患者のスキャン画像を取り込むことで、学習した症例を基に身体の異常を発見できるようになります。

また、新薬の開発においては、HPCを活用して創薬の組み合わせをシミュレーションすれば、実験工程の短縮を図ることが可能です。


②製品の設計や製造の現場

設計や製造の現場においては、検証の際にHPCを用いてシミュレーションを行うことで、実機を用いずにさまざまな検証データを入手できます。

従来、自動車の新製品を開発する際、衝突実験や風洞実験を行うために試作車を製造する必要があったため、時間とコストがかかっていました。

しかし、HPCを活用することで、これらの実験を行わなくても自動車の挙動パターンをシミュレーションできるようになるため、時間とコストの削減につながります。


③エネルギー採掘の現場

石油やガスといったエネルギーの採掘の現場では、採掘箇所の特定にHPCが活用されています。

HPCを用いて地震波データを計算することで、採掘するための適切な場所を割り出せます。

具体的には、地震波のデータを基に地表下の状況に関する多彩な情報を割り出して生成した画像を解析します。解析データを参照することで、採掘のコストを抑えて適切な採掘場所を割り出すことが可能です。



HPCの運用方法

かつて、HPCの運用はオンプレミスのみを使用するケースが主流でした。しかし、近年はオンプレミスに加え、クラウドのみの使用や、オンプレミスとクラウドを併用する“ハイブリッド”と呼ばれる仕組みを活用するケースもあります。

オンプレミスは導入にコストがかかるほか、管理を行う人的リソースも必要です。そのため、「HPCを使いたくても手が届きにくい」という企業も少なくありませんでした。

しかし、“HPCaaS"と呼ばれるクラウド上で利用できるHPCサービスの台頭により、以前よりも手軽にHPCを利用できるようになりました。

HPCをオンプレミスで運用するメリットの一つは、セキュリティ性が高いことです。一方で、導入・管理にコストがかかるほか、利用者が「HPCで解析したい」と考える情報量の需要がHPCの情報処理能力を超えてしまうこともあります。

そこで、オンプレミスとクラウドを組み合わせてハイブリッド環境を構築することで、両面の利点を活用して運用できるようになります。普段の情報解析にはオンプレミス、需要ピーク時にはクラウドを併用するといった活用も可能です。



伊藤忠テクノソリューションズのクラウドHPCサービス

​​​​​​​

伊藤忠テクノソリューションズでは、主要ハードウェアベンダーからHPCを仕入れてご提供する選択肢のほかに、各種クラウドでのシステム提供も承っています。

また、シミュレーション用途に特化したクラウドHPCサービスとして、“Rescale”を取扱っています。Rescaleでは、ウェブブラウザ上からの簡単な操作でクラウドHPCを立ち上げて利用できるほか、ハードウェアの管理にかかる工数をすべて削減できます。

ライセンスに関わる設定さえ終えてしまえば、多様なシミュレーションソフトウェアがインストールされた状態ですぐに利用開始できるため、システム導入に際する作業のハードルが低いことが特徴です。

新しいシステムの導入時の選択肢として、『Rescale®プラットフォーム』をぜひご検討ください。

伊藤忠テクノソリューションズでは、従量課金制のクラウドHPCサービスを提供しております。サービスの詳細は、こちらからご確認ください。

​​​​​​​


まとめ

この記事では、HPCについて以下の内容を解説しました。


  • HPCとは
  • HPCの用途
  • HPCの運用方法
  • 伊藤忠テクノソリューションズのクラウドHPCサービス


HPCは、一般的なコンピュータよりも速いスピードで大量の情報を処理し、複雑な計算を行えるシステムのことです。

以前はHPCをオンプレミスのみで運用することが一般的でしたが、近年はクラウド上で運用するケースもあります。研究分野や製造業界をはじめ、さまざまな分野で活用されています。

クラウド上でHPCを運用することで、導入・管理にかかるコストを抑えつつ、以前より手軽にHPCの運用を開始することが可能です。


【関連記事】

  有限要素法(FEM)とは?基礎から解析の流れをまとめてご紹介 有限要素法(Finite Element Method)とは、工学や物理学などの分野で、複雑な形状や材質の物体や構造物の解析を行うために用いられる数値解析手法の一つです。物体や構造物を小さな要素に分割し、それらの要素の性質を数値化して計算を行うことで、全体の挙動を解析する手法です。 この有限要素法は、様々な分野で応用されており、例えば構造物の強度解析や振動解析、流体の流れ解析、熱伝導解析などに用いられます。また、製品開発や設計段階での予測、現場での問題解決など、実践的な応用にも役立っています。 本ブログでは、有限要素法の基礎的な考え方や解析の流れ、具体的な適用例などを分かりやすく解説していきます。有限要素法に興味がある方や、これから学ぼうとしている方はぜひ参考にしてください。 Trans Simulation




“事例一覧は下記をクリック‼”


人気記事ランキング


キーワードで探す



 

関連記事

伊藤忠テクノソリューションズの科学・工学系情報サイト

 

ページトップへ戻る