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見える化で施工革命!地盤改良工事の現状と知っておきたい事例

地盤改良工事とは、建設物を建てる地面の安定性を保つために、地盤へ人工的な改良を加える工事です。地面の安定性が、建築物やインフラの安全性と耐久性を確保する事に繋がるため非常に重要です。表層改良工法・柱状改良工法・鋼管杭工法など様々な手法があり、地盤の特性や建築物の規模に応じて選択されます。本記事では、地盤改良工事の現状と注目のBIM/CIM事例を交えて紹介いたします。


目次[非表示]

  1. 1.地盤改良工事とは
  2. 2.これからの地盤改良工事
  3. 3.地盤改良工事でのBIM/CIMの活用
    1. 3.1.BIM/CIMモデル化を行うことで得られるメリット
    2. 3.2.空港での地盤改良工事におけるBIM/CIM事例
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズが提供する地盤改良工事BIM/CIM支援ソリューション
  5. 5.おわりに


地盤改良工事とは

地盤改良工事は、まず地盤調査から始まり、地盤状態分析し、地盤改良法検討を行います。その後、選定した方法で改良工事が行われ、最後に再度地盤の確認が行われます。このようにして、確実な地盤の強化が図られます。

地盤改良工事が必要とされるケースとしては、多くの場合以下が挙げられます。

  • 新たに建物を建設する場合
  • 既存の建物が沈下している場合
  • 災害によって地盤が影響を受けた場合

また、地盤の強度を向上させることにより、以下のメリットを得ることができます。

  • 耐震性が増し、地震などの自然災害への対策に繋がる
  • 液状化現象・地盤沈下への対策に寄与する
  • 建物の耐久性が増し、長期的なコスト削減効果

以上のように、地盤改良工事は建設業界において必要不可欠な技術です。


これからの地盤改良工事

BIM/CIMのイメージ


地盤改良工事は、地盤内部が見えないため、様々なリスク要因が存在します。

  • 地下埋設物の損傷リスク                                     地盤の中には、既存の配管やケーブルなどの埋設物が存在します。これらの位置を正確に把握しないまま施工を行うと、誤って損傷させてしまうリスクがあります。
  • 地盤の不均質性リスク                                      地盤は場所によって硬さや構造が異なるため、均一に改良することは困難です。特に、軟弱な部分が予期せぬ場所に存在する場合、建物の沈下や傾きの原因となることがあります。
  • 地質データの不確実性                                      地盤調査によって得られるデータは限られており、全ての地盤特性を完全に把握することはできません。このため、設計段階での予測が不十分な場合、施工中に予期せぬ問題が発生することがあります。

近年の地盤改良工事では、BIM/CIMに基づいた効率的な施工管理が実施されています。BIM/CIMでは、埋設物の損傷リスク改良地盤の不均質性リスク低減 、施工の安全性と信頼性の向上が期待でき、近年導入が急務とされています。

※ BIM/CIM

建物や構造物の3次元モデルを作成し、そのモデルに関連する情報を一元管理することで、設計から施工、維持管理までのプロセスを効率化し、品質を向上させることを目的とした取り組み。


地盤改良工事でのBIM/CIMの活用


BIM/CIMモデル化を行うことで得られるメリット

BIM/CIMモデルは、工事の各工程を3次元で可視化し、情報を一元管理するためのツールです。地盤改良工事の例としては、品質・出来形情報を3次元BIM/CIMモデルの属性データとして一元管理し、観測結果や地盤調査結果などを同BIM/CIMモデルに関連付けるなどが挙げられます。

BIM/CIMモデル化の主なメリットは以下の通りです。

  • 可視化                                            地盤改良工事の進捗や品質情報を3次元モデルで可視化することで、施工の状況を直感的に把握できます。
  • 情報共有                                           関係者間での情報共有が容易になり、コミュニケーションの効率が向上します。
  • 品質管理                                           施工中の地盤の変動や品質情報をリアルタイムで管理することで、品質の向上が期待できます。

これらのメリットにより、地盤改良工事におけるBIM/CIMモデル化は、施工の効率化と品質管理の向上に大きく貢献しています。


空港での地盤改良工事におけるBIM/CIM事例

CPG工法の適用事例 (空港工事)


地盤改良工事におけるBIM/CIM適用事例として、WIT地盤改良管理システム(若築建設株式会社様)を用いた、港湾・海岸・空港などの現場でのBIM/CIM適用と効果について紹介します。本システムは、地盤改良工事における品質・出来形情報を3次元BIM/CIMモデルの属性データとして一元管理し、動態観測結果や地盤調査結果などの工事関連資料を同BIM/CIMモデルに関連付けることで、関係者間の情報共有を促進します。

本システムの導入効果としては、以下の通りです。

  • 品質管理の向上                                        地盤改良体の出来形情報(杭芯座標や施工深度)や品質情報(注入量、圧力等)どを3次元モデルの属性情報として付与することで、全体の品質を俯瞰して評価することができます。
  • 情報共有の効率化                                       工事業者から提出される施工情報をモデルにリンクさせ、関連資料を一元的に管理することで、関係者間の情報共有がスムーズになります。
  • 動態観測結果の可視化                                     動態観測で得られた地盤や近接構造物の変位データを施工後にシステムに取り込み、等高線等で可視化することで、施工情報や施工進捗と変位の関係を分析することができます。
  • 施工計画のフィードバック                                                  分析結果を翌日からの施工計画に反映し、施工の効率化と品質向上が図れます。

地盤改良工事の品質管理と情報共有を大幅に改善し、施工の効率化と品質向上に寄与しました。今回の施工管理では、業務の効率化を目的に弊社(CTC)のC-Groutを導入頂きました。専門のCADオペレータいらずで大量の3Dモデルをほぼワンクリックで自動生成でき、BIM/CIMモデル化に関する作業時間が大幅に短縮されたことにより、現場における3次元モデルの日常的な運用が可能となりました。


【参考文献】

若築建設株式会社技術部:地盤改良工事におけるCIMの適用事例、2020年


伊藤忠テクノソリューションズが提供する地盤改良工事BIM/CIM支援ソリューション

『伊藤忠テクノソリューションズ』では、“建設BIM/CIMソリューション”を提供しています。地盤改良工事向けのBIM/CIM支援ソリューションである「C-Grout」は、施工段階での薬液注入状況や地表面の変位を可視化し、直感的なデータ分析からから課題解決へつながる新たな発見へサポートします。これらの機能により、C-Groutは地盤改良工事の効率化と品質向上を実現し、現場の作業負担を最小限に抑えながらBIM/CIM活用促進に貢献します。


C-Groutは、お客様の様々なニーズを満たすカスタムメイドのサービスです。現場ごとに異なる条件をヒアリングの上、フルオーダーと比較してお手頃に短期間でシステムをご利用いただけます。


おわりに

本記事では、地盤改良工事の現状とBIM/CIM事例を紹介させて頂きました。弊社では、BIM/CIM技術やAIなどテクノロジーを掛け合わせ、新たな技術を日々開発しております。建設分野におけるソリューションやデータ分析等の事例についてご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。


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