
施工DXの最新事情とは? BIM/CIM活用法と成功の秘訣をご紹介
建設業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進み、BIM/CIMの活用が注目されています。
BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)とは、調査・計画・設計段階からBIM/CIMモデル(3次元モデルと属性情報を組合せたもの)を導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても、情報を充実させながらこれを活用・共有することで、受発注者双方の業務効率化・高度化を図る取組みです。国土交通省が推進する施策「i-Construction」の一環として推進されています。
この記事では、施工フェーズにおけるBIM/CIMのトレンドと、BIM/CIM導入を成功に導くポイントについて解説します。
図1 BIM/CIMによるこれまでの取組と今後の方向性
(画像引用元: 国土交通省 第13回BIM/CIM推進委員会 資料1)
目次[非表示]
- 1.1.施工現場×BIM/CIMのトレンド
- 1.1.IoTの活用
- 1.2.VRの活用
- 1.3.点群データの活用
- 1.4.デジタルツイン
- 1.5.地形・地質モデルの活用
- 2.2.BIM/CIM導入を成功に導くポイント
- 2.1.適切なソフトウェアの選定とカスタマイズ
- 2.2.自動化ツールの導入
- 2.3.データ管理と情報流通の最適化
- 2.4.データの互換性とモデル統合
- 2.5.外部パートナーの活用
- 3.3.伊藤忠テクノソリューションズのBIM/CIMソリューション
- 4.4.まとめ
1.施工現場×BIM/CIMのトレンド
施工フェーズでは、BIM/CIMが大きな役割を果たします。まず、3次元モデルを使うことで、設計の意図を視覚的に分かりやすく伝えることができ、施工ミスを減らすことができます。また、施工プロセスの効率化や品質向上、進捗・コスト管理の最適化などにも寄与します。
近年のトレンドとしては、BIM/CIMに情報通信技術(ICT)などの様々な技術を組み合わせることで、さらに高度な施工管理が可能となっています。
IoTの活用
IoT技術を活用することで、現場のセンサーからリアルタイムでデータを収集し、BIM/CIMモデルに反映させることができます。例えば、温度や湿度、振動などの環境データをリアルタイムで監視し、施工の進捗や品質を管理することができます。
VRの活用
VR技術を活用することで、施工現場を仮想空間で再現し、施工手順や安全対策をシミュレーションすることができます。これにより、現場作業員が事前に施工手順を確認し、リスクを低減することができます。
点群データの活用
点群データは、3Dレーザースキャナーなどで計測された物体表面の形状情報を基にしたデータです。これをBIM/CIMモデルと組み合わせることで、現場の詳細な状況を正確に把握し、施工計画の精度を向上させることができます。例えば、既存の構造物の点群データを使用して、改修工事の計画を立てる際に役立ちます。
デジタルツイン
デジタルツイン技術は、物理的な建設現場のデジタルコピーを作成し、リアルタイムで監視・管理することができます。これにより、施工の進捗状況や品質をリアルタイムで把握し、問題が発生した際には迅速に対応することが可能です。
地形・地質モデルの活用
土木の地下工事では、地形や地質が大きく影響します。地下掘削に伴う地盤の変動により地盤沈下が発生したり、設計とは異なる地質条件に遭遇し追加対策が必要になったりするリスクがあります。施工計画に3次元地質モデルを活用することで、地形・地質の影響を考慮したシミュレーションが可能となり、施工の安全性を向上させることができます。
2.BIM/CIM導入を成功に導くポイント
国土交通省は直轄の業務・工事でBIM/CIM原則適用の方針を掲げており、建設プロセスの各段階間でのデータ連携が重要なポイントになります。
そこで、受注者は施工フェーズで得られたデジタルデータ(出来形・品質管理の情報や、前章でご紹介した様々な取組み成果等)を正確かつ適切な形式で、監督・検査や維持管理フェーズに伝達することが求められます。
以下に、デジタルデータの共有・伝達の観点で、施工フェーズのBIM/CIM導入を成功に導くポイントをいくつかご紹介します。
適切なソフトウェアの選定とカスタマイズ
受注者がプロジェクト計画を立案する際、プロジェクトの要求に最も適合するソフトウェアを選定し、必要に応じてカスタマイズや追加モジュールを導入します。これにより、プロジェクトの目標と予算に合わせた最適なソリューションを利用できます。
自動化ツールの導入
施工管理や進捗管理において、BIM/CIMを活用した自動化ツールを導入することで、作業の効率化と精度向上が期待できます。例えば、進捗状況を自動で記録・分析するツールを使用することで、管理業務の負担を軽減できます。
データ管理と情報流通の最適化
クラウドベースのプラットフォームや情報共有サービスを活用し、プロジェクトに関連するすべてのデータを整理・管理します。現場でモバイルデバイスを活用すれば、BIM/CIMモデルに即時アクセスし、リアルタイムで情報を確認・更新することができます。これらにより、関係者がいつでも最新の情報にアクセスでき、効率的な情報共有が可能となります。
データの互換性とモデル統合
異なるソフトウェアやシステム間でのデータのやり取りをスムーズにするために、IFC(Industry Foundation Classes)などのオープンスタンダードの採用や、異なるソフトウェア間でデータを変換するためのツールを活用します。また、複数のBIM/CIMモデルを統合できるプラットフォームを導入することで、プロジェクトの進行を円滑にします。
外部パートナーの活用
初めてBIM/CIM導入するプロジェクトや、特に困難な施工条件が重なる現場、社内に専門知識とスキルを持つ技術者がいない場合には、積極的に専門知識を持つ外部のコンサルタントやベンダーを活用しましょう。初期段階で必要なサポートやサービスを受けることで、BIM/CIMの導入がスムーズに進み、初期投資に見合う効率的な運用が実現できます。
これらの対策を組み合わせて実施することで、施工フェーズにおけるデジタルデータの共有・伝達がスムーズに進み、プロジェクトの効率化や品質向上が期待できます。
3.伊藤忠テクノソリューションズのBIM/CIMソリューション
伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)では、施工フェーズにおいて非常に有用なソリューションとしてNavis+とC-シリーズを提供しています。
①: 3次元属性管理ソリューション「Navis+」
Navis+は、BIM/CIM対応における属性情報の利活用を一括サポートするソフトウェアです。
3次元モデルの属性付与・管理を省力化するだけではなく、データ分析・管理・活用から納品まで幅広く対応。様々なBIM/CIMモデルを、多様なシーンで利活用するために必要な機能がパッケージ化されています。
Navis+があれば、計画・設計・施工・維持管理の各プロセスで、BIM/CIMモデルを用いた業務効率化を実現できます。
②: 施工現場見える化サービス「C-シリーズ」
C-シリーズは、IoT技術を活用して建設工事の3次元モデルを自動生成し、施工管理の効率化を図るためのソフトウェア群です。各種施工情報を元に、ワンクリックでBIM/CIMモデルが作成できるのが大きな特徴の一つです。
C-シリーズは工種別に分かれています。以下に、各ソフトウェアを紹介します。
・C-Shield
C-Shieldはシールド工事向けのソフトウェアです。シールドマシンとセグメントの現在位置、埋設物、重要構造物下のコントロールポイントなどを3Dモデル上で確認できます。これにより、出来形作成と同時に施工情報の整理もワンクリックで行えます。
・C-Grout
C-Groutは地盤改良工事向けのソフトウェアです。削孔や改良体の出来形モデルと、路面変状モデルをワンクリックで見える化し、施工の透明性を向上させることができます。
CTCでは、BIM/CIMソフトウェアの開発・販売だけでなく、それらのカスタマイズ開発や技術サポート、コンサルティングサービスもご提供しています。BIM/CIM導入の課題でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
また、CTCではBIM/CIMに関わるセミナーも開催しております。参考に下記アーカイブも紹介します。
アーカイブ動画「地盤DXへのアプローチ」セミナー 3次元地盤モデリング「GEORAMA」 後編
4.まとめ
この記事では、施工におけるDXの進展と、BIM/CIMの活用が注目されていることについて紹介しました。
施工フェーズでは、BIM/CIMが設計意図の視覚的伝達、施工プロセスの効率化や品質向上に寄与します。IoTやVR、点群データ等の活用により、さらに高度な施工管理が可能です。
BIM/CIM導入を成功に導くポイントとして、適切なソフトウェアの選定、自動化ツールの導入、データ管理と情報流通の最適化、データの互換性とモデル統合、外部パートナーの活用が挙げられます。
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