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最新の地盤モデリング技術:2次元から3次元への進化とその重要性

地質モデリングとは、地質情報を基にして地下の構造や特性をモデル化する技術です。この技術は、地質調査や地震探査、ボーリングデータなどから得られた情報を統合し、地下の状態を推測・可視化するために使用されます。近年では、コンピューター技術や地球統計学的手法の進化により、三次元地質モデルが広く利用されるようになりました。本記事では、2次元地質モデルと3次元地質モデルの違いと3次元地質モデルの2次・3次利用について説明させて頂きます。
 

目次[非表示]

  1. 1.2次元地質モデルとは
  2. 2.2次元・3次元地質モデルの違い
  3. 3.3次元地質モデルの2次・3次利用
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズが提供する3次元地質モデリングソリューション
  5. 5.おわりに


2次元地質モデルとは

2次元地質モデルとは、地質情報を平面的に表現したもので、地質構造や地層の分布を2次元の地図や断面図として可視化するものです。主だったもので、以下2点があります。

  • 地質平面図                                     地表面の地質構造を示す地図で、地層や断層の位置、岩石の種類などを視覚的に表現します。
  • 地質断面図                                     地下の地質構造を断面として表現し、地層の傾斜や厚さ、地下水の分布などを把握するのに役立ちます。

2次元地質モデルは、地質情報を効率的に伝えるための基本的なツールであり、特に初期段階の計画や設計において重要な役割を果たします。


2次元・3次元地質モデルの違い

2次元地質モデルは、地質情報を平面的に表現します。地質平面図や断面図を用いて、地層の分布や構造を視覚化します。土木工事や建築設計の初期段階での地盤評価に適しています。ただし、地質情報の一部を簡易的に表現するため、精度は限定的です。

3次元地質モデルは、地質情報を立体的に表現します。地層や岩盤の形状、物性特性を三次元空間で可視化し、より詳細な解析が可能です。防災計画、資源探査、都市計画など、より広範な分野での詳細な解析やシミュレーションに利用されます。地質情報を立体的に表現することで、精度が向上し、複雑な地質構造をより正確に把握できます。
 
解析の大規模化や複雑化が見受けられる今、3次元地質モデルを導入することは重要です。3次元地質モデルを正確に作成するためには、専用のソフトウェアが不可欠です。これらのソフトウェアは、設計者が効率的に3次元地質モデルを作成できるようサポートします。


3次元地質モデルの2次・3次利用

3次元地質モデルの2次・3次利用とは、初期の地質データを基に構築されたモデルを、他の目的や分野で再活用することを指します。以下にその具体例を挙げます。

2次利用

  • 防災計画:地震や土砂災害のリスク評価に活用。地盤の安定性を評価し、避難経路や防災施設の設計に役立てる。
  • 都市計画:建築物やインフラの設計時に、地盤条件を考慮した計画を立案。地下空間の有効活用(地下鉄や地下駐車場の設計など)。
  • 環境保全:地下水の流れや汚染物質の拡散をシミュレーション。環境影響評価(EIA)における基礎データとして利用。

3次利用

  • 資源開発:鉱物資源やエネルギー資源(石油・天然ガス)の探査。採掘計画の最適化。
  • 教育・研究:地質学や土木工学の教育ツールとして活用。新しい解析手法や技術の開発における基盤データ。
  • シミュレーション技術の向上:AIや機械学習を用いた地質モデルの精度向上。他分野(例:気候変動モデル)との統合的な解析。

これらの利用方法により、3次元地質モデルは単なる地質データの可視化ツールにとどまらず、幅広い分野での意思決定や問題解決に貢献できます。


伊藤忠テクノソリューションズが提供する3次元地質モデリングソリューション

『伊藤忠テクノソリューションズ』では、“3次元地質モデリングソリューション”を提供しています。3次元地質モデリングソリューションである「GEORAMA」は、調査ボーリングや地質断面図などの断片的なデータから、整合性が取れた高精度の3次元地質モデルを効率的に作成できます。

また、GEORAMAは単なる3次元地質モデラーではありません。造成地の土木施工に伴う土量計算や、地下水変動解析等の解析シミュレーションで利用するためのFEMデータ作成など、3次元地質モデルの2次・3次利用をサポートします。


おわりに

本記事では、2次元地質モデルと3次元地質モデルの違いと3次元地質モデルの2次・3次利用について紹介させて頂きました。弊社では、BIM/CIM・解析技術やAIなどテクノロジーを掛け合わせ、新たな技術を日々開発しております。建設分野におけるソリューションやデータ分析・省人化等の事例についてご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。


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