デジタルツインとは? 3つのメリットとともに解説

デジタルツインとは? 3つのメリットとともに解説

近年、製造業を中心に、デジタルツインの活用が注目されています。

デジタルツインについて耳にしたことがあるものの、「具体的な概要について知りたい」「活用することでどのようなメリットがあるのだろう」と考えている企業の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、デジタルツインの概要や注目される背景、メリットについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.デジタルツインとは
    1. 1.1.デジタルツインの特徴
    2. 1.2.デジタルツインを支える技術
  2. 2.デジタルツインが注目される背景
  3. 3.デジタルツインのメリット 
    1. 3.1.①コスト削減
    2. 3.2.②予知保全
    3. 3.3.③アフターサービス
  4. 4.伊藤忠テクノソリューションズのIntelligent Twinサービス
  5. 5.まとめ


デジタルツインとは

デジタルツインとは、現実世界で収集したデータを仮想空間(サイバー空間)上で再現する技術のことです。この技術を活用することで、ビッグデータのリアルな分析や、仮想モデルを使った生産工程(生産プロセス)のシミュレーションなどが行えます。


デジタルツインの特徴

デジタルツインは、現実世界と同様の環境を再現することから“デジタルの双子”といわれています。

仮想空間上で再現したものを現実世界にフィードバックすることで、実際に起こりうるトラブルの解決や回避につなげられることが特徴です。


デジタルツインを支える技術

デジタルツインを支えている身近な技術として、IoT(※1)や5G(※2)などがあります。

IoTを活用してデータ収集を行うことは、精度の高いデジタルツインの実現に欠かせません。さらに、5Gでは、大容量のデータを高速・低遅延・多数接続で受信することが可能です。

これらの技術によって、デジタルツインに必要なデータをリアルタイムで反映させることが可能となります。

※1・・・IoTとは、センサーや監視カメラなど、さまざまなモノをインターネットに接続して通信を行う技術のこと。

※2・・・5Gとは、4Gに続く次世代通信技術のこと。“第5世代移動通信システム”とも呼ばれる。



デジタルツインが注目される背景

デジタルツインが注目されるようになった背景には、IoTやAI(Artificial Intelligence:人工知能)、VR(Virtual Reality:仮想現実)など、技術の発達や普及が挙げられます。

これまで、物事をシミュレーションする際、人手によって情報を収集したり、結果の分析を行ったりする必要がありました。

しかし、IoTやAIなどの技術が発達して、デジタルツインを活用できるようになったことで、情報の収集や分析をリアルタイム、かつ高い精度で行い、物事のシミュレーションを低コスト、低リスクで行えるようになりました。

また、政府は、現実世界と仮想空間を高度に融合させた第5の社会、いわゆる“Society 5.0”の実現を提唱しています。デジタルツインは、Society 5.0実現の中核となる技術としても注目されています。


デジタルツインのメリット 

Intelligent Twin 説明図

デジタルツインには、コスト削減や予知保全、アフターサービスなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、そのうち3つのメリットを紹介します。


①コスト削減

1つ目のメリットは、コスト削減につなげられることです。

これまでは、新製品をつくるために施策や試験を何度も行う必要があり、時間・費用・人員などにコストがかかっていました。
デジタルツインを用いることで、試作段階で行う試験を仮想空間上のシミュレーションで行えるため、時間短縮やコスト削減などにつなげることが可能です。

また、人員配置を最適化できるようになることで、人員にかかるコストの削減にも役立てられます。

さらに、仮想空間上で何度も試験を行うことで、現実世界では見つけることができなかった欠陥やトラブルを発見できます。


②予知保全

2つ目は、予知保全に役立てられることです。

生産ラインをデジタルツインで再現することによって、製造過程で生じるトラブルに対して事前に対策することが可能です。

従来は、トラブルが発生してから原因を分析して対策していたため、ダウンタイムが発生していました。しかし、生産ラインの情報を随時デジタルツインに送って、故障の兆候を探知する“故障予知”を行うことで、ダウンタイムを縮小して、トラブルへの対応を効率化できます。

また、遠隔地の製造現場においても、異常検知をしたり、トラブルが発生した際の原因特定をしたりして、改善案をすぐに打ち出せることもメリットの一つです。


③アフターサービス

3つ目は、アフターサービスを充実させられることです。

デジタルツインを活用することで、出荷したあとも、製品の状況を把握できるようになります。

たとえば、製品に取りつけているセンサーによって、バッテリーや部品の使用状況を分析できます。これにより、アフターサービスを適切なタイミングで行えるようになります。

また、顧客のニーズや課題を分析して、新たなサービスを展開するためのマーケティング戦略を打ち出すことも可能です。

このように、アフターサービスを充実させることで、顧客満足度の向上を図りつつ、自社のマーケティングに役立てることができます。



伊藤忠テクノソリューションズのIntelligent Twinサービス

伊藤忠テクノソリューションズでは、『Intelligent Twinサービス』を展開しています。

 製造業を中心に多くの企業がデータの蓄積・活用先としてデジタルツインに積極的に取組んでいますが、「使用するデータが不足している」「取得できないデータがある」「分析技術が足りない」などの課題が挙げられます。

Intelligent Twinサービスでは、これらの課題に対して、AI、シミュレーション、数理最適化を組み合わせて、最適な価値を提供します。

また、生産性向上や新規設備投資計画、人員配置最適化などの課題に対しては、適切な手法の選定から運用フェーズでのモデル精度維持まで、さまざまな形でご支援いたします。


まとめ

この記事では、デジタルツインについて、以下の内容を解説しました。


  • デジタルツインとは
  • デジタルツインが注目される背景
  • デジタルツインの3つのメリット
  • 伊藤忠テクノソリューションズのIntelligent Twinサービス


デジタルツインとは、現実世界のデータを仮想空間上で再現する技術のことです。デジタルツインによって、仮想空間上でさまざまなシミュレーションを行えるため、実際に起こりうるトラブルの解決・回避につながります。

また、新商品を開発するためのコスト削減や予知保全、アフターサービスを充実させられることなどがメリットとして挙げられます。

『伊藤忠テクノソリューションズ』では、“Intelligent Twinサービス”を展開しています。AI、シミュレーションなどを組み合わせて、デジタルツインの課題を解決しつつ、さまざまな形でご支援いたします。


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