GXとは? 注目を集める理由と2つのメリット
政府が地球温暖化対策としてカーボンニュートラルを掲げたことで、GX(Green Transformation:グリーントランスフォーメーション)が注目を集めています。
GXは政府の施策の一つで、脱炭素社会への取組みは必須と考えられており、大企業だけでなく中小企業でも取組みの輪が広がっています。GXに取組むことで、環境だけではなく企業にもさまざまなメリットがあります。
しかし、GXに取組むにあたって、「メリットが知りたい」「自社のGXを支援するサービスがあれば利用したい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、GXの概要をはじめ、注目を集める理由やメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.GXとは
- 2.GXが注目を集める理由
- 2.1.①地球温暖化の深刻化
- 2.2.②2050年カーボンニュートラル宣言
- 3.GXに取組む2つのメリット
- 4.企業のGXを支援する伊藤忠テクノソリューションズのサービス
- 5.まとめ
GXとは
GXとは、温室効果ガスの排出を削減して、カーボンニュートラルの実現を成長機会と捉えて、経済社会システム全体の変革を目指す取組みのことです。
企業がGXを重要視せずに事業戦略を行う場合、産業競争力の低下やグローバル・サプライチェーンからの除外などのおそれがあります。
そこで、経済産業省はGXに対して積極的に取組んでいる企業と官公庁・大学・金融機関とともに協働する場として“GXリーグ”を設立しました。
▼GXリーグが目指す世界観
画像引用元:経済産業省『GXリーグ基本構想』
GXリーグでは、経済社会システム全体の変革に向けて、企業の成長・生活者の幸せ・地球環境への貢献を同時に実現することを目指します。
出典:経済産業省『GXリーグ基本構想』
GXが注目を集める理由
GXは、自然環境問題と政府による社会的施策によって注目を集めています。
①地球温暖化の深刻化
温室効果ガスの排出量の上昇は、地球温暖化が深刻化する原因の一つです。1901〜2010年に海面は19cmも上昇しています。今後も地球温暖化が進むと、2100年までに海面が最大82cmも上昇する可能性があります。
また、世界の平均気温は、2011〜2020年に1.09℃上昇しています。今後も平均気温は上昇するといわれており、今世紀末には3.3〜5.7℃も上昇することが予測されています。
地球温暖化が深刻化することで、大型台風や洪水、干ばつなどの異常気象が頻発すると考えられます。その結果、事業活動の停止や人材不足などが生じて、経済損失にもつながりかねません。
出典:環境省『STOP THE 温暖化2017』『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第1作業部会報告書(自然科学的根拠)と従来のIPCC報告書の政策決定者向け要約(SPM)における主な評価』
②2050年カーボンニュートラル宣言
2020年10月、政府は、温室効果ガスを全体としてゼロにする“カーボンニュートラル”を2050年までに目指すことを宣言しました。
また、宣言を受けて、経済産業省は産業政策として『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』を策定しました。
政府は持続可能な経済社会を目指して、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指しています。温室効果ガスの排出を削減するには、カーボンフットプリント(※)を見える化して、脱炭素・低炭素製品が選ばれやすい市場創造が重要です。
2022年6月に、政府はGXを“重点投資分野”の一つに位置づけており、新しい資本主義に向けた計画的な投資を重点化する4本柱を打ち出しました。早期に経済社会システムの変革を実現できれば、日本企業の国際競争力の強化につながります。
▼投資を重点化する4本柱
- 人への投資と分配
- 科学技術・イノベーションへの投資
- スタートアップ企業加速・オープンイノベーション
- GX・DXへの投資
なお、カーボンニュートラルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
※カーボンフットプリントとは、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して商品やサービスに表示する仕組みのこと。
GXに取組む2つのメリット
企業がGXに取組むメリットとして、市場競争力の強化やコスト削減が挙げられます。
①市場競争力の強化
GXに取組むことで、金融機関・投資家からの経済的な投資やイノベーション創出企業からの技術提供などを受けやすくなります。それらによって、サービス・製品で競合他社との差別化を図り、市場競争力の強化が期待できます。
企業ブランディングで社会的評価の向上につながれば、同じ志を持った優秀な人材が採用できる可能性もあります。
ただし、社会的に評価されるには、2050年カーボンニュートラル宣言を実現するための明確な目標や活動を、積極的に情報発信することが大切です。
②コスト削減
GXへの取組みは、地球環境への貢献だけではなく、省エネルギーを促進する取組みでもあります。そのため、自社で使用するエネルギーを削減したり、再生可能エネルギー(以下、再エネ)を生産・消費したり、消費電力を最適化することでコスト削減につながります。
コスト削減につながる取組み例は、以下のとおりです。
▼コスト削減につながる取組み例
- 太陽光発電システムを設置して、発電した電気を自社で消費する
- 夜間の電気を自動で消灯する
- 購入する電力を再エネに限定する
一方、中長期的にGXに取組むためには、プロジェクトを牽引する人材の確保が必要です。
企業のGXを支援する伊藤忠テクノソリューションズのサービス
伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)では、GXに貢献するためにカーボンニュートラルに関するサービスを体系化しました。
体系化したサービスは、温室効果ガスの削減につながる“GXソリューションフレーム”とデータを一元管理する“GXデータプラットフォーム”で構成されています。
▼CTCのGXサービスの体系
GXソリューションフレームは、“GXソリューション”と“GXアドバイザリサービス”の2つに分けられます。GXソリューションとGXアドバイザリサービスは、いずれも温室効果ガスを削減するための各種ソリューションをまとめたものです。
GXソリューションは、企業の温室効果ガス排出量の削減やエネルギー利用の効率化などの技術支援を実施します。対してGXアドバイザリサービスは、情報開示やGX戦略策定支援、環境価値取引など顧客の環境経営を支援します。
一方、GXデータプラットフォームとは、温室効果ガスの削減に向けて取組む各企業における部門間の連携を促すための活用基盤を構築するものです。
CTCでは、これらのソリューションを活用して、GXに取組む企業とカーボンニュートラルの実現に貢献しています。
まとめ
この記事では、GXについて以下の内容を解説しました。
- GXとは
- GXが注目を集める理由
- GXに取組む2つのメリット
- 企業のGXを支援するCTCのサービス
GXとは温室効果ガスの削減を目指して、カーボンニュートラルを実現させようとする取組みのことです。GXに取組むことで、企業のブランディングによって新たな人材を確保しやすくなり、自社のコストを削減することが期待できます。
しかし、中長期的な取組みが必要となるため、GX戦略策定やプロジェクトを牽引する人材の確保などの課題もあります。
『伊藤忠テクノソリューションズ』は、風力や太陽光発電の出力予測を含めてシミュレーション技術を長年蓄積してきました。この技術に基づき、企業や団体へのサービス提供を通して、カーボンニュートラルに向けた社会経済の変革“GX”に貢献します。詳しくは下記をご確認ください。
伊藤忠テクノソリューションズ プレス発表:企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を支援
【関連記事】